岡山大学Society5.0シンポジウム「AI×医療×工学~AI医療応用最前線~」


本学は9月7日、岡山大学Society5.0シンポジウム「AI×医療×工学~AI医療応用最前線~」をオンライン開催しました。
このシンポジウムは、本学で行われている異分野融合型のAI・データサイエンス研究の事例について紹介することを目的としたものです。シンポジウムでは、冒頭、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進担当の阿部 匡伸 理事・副学長が、本学は業務の全体最適を目指し、部局を横断した全学体制でDXを推進していることを説明した後、主催組織の代表者がそれぞれの活動について紹介しました。

本学におけるDXの取り組みについて話す阿部理事


続けて行われたSociety5.0 テクノロジー活用事例紹介では、学術研究院自然科学学域の諸岡 健一 教授が「画像情報処理による医療AI」と題し、AI(人工知能)を用いて細胞の画像からその三次元形態を復元し、解析・診断することによって癌の早期発見につなげる革新的な癌診断支援システムの構築について講演。

諸岡教授による講演


また、学術研究院ヘルスシステム統合科学学域の原 直 助教は「音声情報処理におけるAI技術の進化と医療応用の可能性」と題し、現在取り組んでいる、AIを用いて舌癌等により舌の半分以上を切除した舌亜全摘出者の声の聞き取りやすさを向上させる研究について解説しました。

原助教による講演


最後の特別講演には株式会社キカガクの西沢 衛 取締役副社長が登壇。AI・データの活用が当たり前となる「AI民主化の時代」を迎えたが、AI・データサイエンス分野に含まれるスキルは幅広く、全てを習得するのは困難であるため、目的を定め、それに応じた学習ステップを踏ませる必要があると指摘。同時に、学習者のレベルにあわせたツールの導入や研修と実務をつなげるコンテンツの導入など、活用を意識した教育が求められると話し、「Global×Localな医療課題解決を目指した最先端AI研究開発』人材育成教育拠点には、同社と同拠点参画大学が協力し、上記のコンセプトを盛り込んで構築したAI人材育成のためのプラットフォームが導入されており、さまざまなコンテンツを用意しているので、ぜひ活用して欲しいと呼びかけました。閉会にあたっては、豊岡 伸一 医学部長が「今後も異分野融合型のAI研究やAI人材育成を産学官で連携しながら進めていきたい」とあいさつしました。

西沢副社長によるプラットフォーム紹介

このシンポジウムは寄付講座「おかやまIoT・AI・セキュリティ講座」、「おかやまAI・セキュアIoT共創コンソーシアム(OASIS)」、「サイバーフィジカル情報応用研究コア(Cypher)」、「保健医療分野におけるAI研究開発加速に向けた人材養成産学協働プロジェクト『Global×Localな医療課題解決を目指した最先端AI研究開発』人材育成教育拠点」および研究推進機構が共催。学生・教職員、一般の方など約300人が参加しました。

〇シンポジウムは以下URLから録画が閲覧できます。(学内限定)
https://web.microsoftstream.com/video/94557561-b41d-444c-8ee8-93f0b9bf58e1

〇諸岡教授の所属する「知的画像メディア学研究室」の研究については以下URLを参照してください。
http://www.cc.okayama-u.ac.jp/~iim/

〇原助教の所属する「ヒューマンセントリック情報処理研究室」の研究については以下URLを参照してください。
https://www.a.cs.okayama-u.ac.jp/

〇「保健医療分野におけるAI研究開発加速に向けた人材養成産学協働プロジェクト『Global×Localな医療課題解決を目指した最先端AI研究開発』人材育成教育拠点」プロジェクト岡山大学では、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科医療AI応用コースの大学院博士課程在籍学生及び学生、医療従事者、社会人等を対象とした「インテンシブコース」を開設しています。募集期間等の詳細は以下URLを参照してください。
https://clinicalai.hsc.okayama-u.ac.jp/course/?id=summary

【本件担当】
研究協力部研究協力課
TEL:086-251-8462
kikou@adm.okayama-u.ac.jp